「経営の小学校」をスタートさせた経緯と思い
私はこれまで、数多くの方々の創業をお手伝いし、さまざまな金融機関から創業資金を調達してきました。なかには、創業にかける思いが曖昧だったり、事業計画が甘い人もおられましたが、過去には、これも仕事と割り切って、融資を引き受けてきました。
しかし、そういった弱さを抱えた方々はやはり、どこか夢見がちなところがあり、事業が軌道に乗らないまま、いつの間にか資金を使い果たしてしまい、アルバイト生活に戻っていくというケースを何度か見ました。あとに残るのは、「やはり、私が融資を止めてあげるべきだった」という悔恨の念です。
そういう苦い体験をすると、融資のお手伝いはできても、創業後の経営サポートができない自分に、無力感と歯がゆさを、次第に覚えるようになっていきました。
そこで私は、自分がしなければならないことを自覚しました。創業を支援するのなら、経営が軌道に乗り、順調な成長期に入るまでしっかり見守る仕事、経営のサポートを提供すべきだと――。
中国には、「人に授けるに魚を以ってするは、漁を以ってするに如かず」という格言があります。「困っている人に授けるべきは魚ではなく、漁の方法を教えることである」といった意味ですが、まさに私は、「創業資金だけではなく、より良い経営の仕方を学んでもらいたい」と考えるようになりました。それが、「経営の小学校」をスタートさせるきっかけでした。
ランチェスター戦略が教える「弱者の戦略」は、創業間もない、家族経営の小さな会社やお店に最適な経営戦略です。
創業間もない、家族経営でがんばっている事業主の方々に、経営のやり方を勉強してもらおうと決心した私は、セミナールームが確保できる、広いオフィスに引越をして、勉強会の準備を進めました。
幸いにも私は、No.1戦略コンサルタントで著名な、NNA株式会社の講師資格を持っています。同社が提供する経営塾のひとつ「あきない実践道場」のプログラムをベースに、月1回6ヵ月間の勉強会を開催することにして、顧問契約をしている事業主様に参加を呼びかけました。
「ランチェスター戦略」が教える「弱者の戦略」は、創業間もない家族経営の事業主様にぴったりの経営方法です。しかも、「ランチェスター戦略」の大家、竹田陽一先生が制作したDVD教材を使用しながら、中小企業の成功事例を、具体的な実例として学習できるので、その具体策を自分の事業にそのまま転用することができます。
最初は、あまり乗り気でなかった事業主様も、勉強会で学んだことを実際に仕事で試してみて、その成果を実感すると、次第に熱心に勉強会に参加するようになり、学習と実践トレーニングの反復を、楽しみにするようになっていきました。
事業主として、次に何をどうしたらいいのかを、実例として学んでいける勉強会は、学習と実践による相乗効果を生むようになりました。実例を映像で学び、成功体験として共有できることで、参加者の自信とやる気につながるのです。「ランチェスター戦略」の原理原則にもとづいて取り組むだけで、これほど大きな成果が得られるとは、私も正直驚きました。
理論とトレーニングの繰り返して生まれる気づきが、より良い実践となり、具体的な成果となって跳ね返ってきます。
「経営の小学校」が、一般的な経営指導のセミナーなどと決定的に違っているのは、学びの直後に、実際の事業で理論を実践できる点にあります。
一般的な経営塾やセミナーでは、学問は学べても、実践はできません。しかし、本来重要なのは、学んだことを実践で試してみるトレーニングの部分なのです。
私たちの勉強会では、理論とトレーニングを交互にやることで気づきが生まれ、さらに改善した実践に移しやすくなるのです。だから、学習イコール具体的な事業上の成果が現れ始めます。
神戸市灘区を中心に、「ランチェスター戦略コミュニティ」を形成するのが、私の将来的な願望であり目標です。
「経営の小学校」をスタートさせて、当事務所の大切なお客様たちが、次々に成果を上げるのを見て私は、「ランチェスター戦略」が、家族経営で事業を支え合いがんばっている、小さな会社やお店にぴったり経営戦略であることを実感しました。
ですから私は、顧問契約をしてくださったお客様には必ず、「勉強会に参加されませんか」とおたずねするようにしています。創業間もない事業主様にとって、経営の勉強は、将来必ず役に立つ宝となるはずだからです。
これから「経営の小学校」の卒業生が増え、ランチェスター戦略で成長を確かなものにする事業主様が多数現れることを、私は確信しています。
そして近い将来、私は当事務所をベースにして、ランチェスター戦略で経営を学ぶ仲間を集めたコミュニティをつくろうと考えています。同じ志と、事業にかける強い思いを持った事業主様たちの集いを舞台に、さらなる高みへと、皆様とともに歩んでいきたいと願っています。
